後期始業式において -「 朝光」あさかげ -

10月11日(火)
 創立10周年記念式典を翌日に控え,令和4年度の後期始業式において,本校の創立に関係する話をしました。
その概要を記載します。

  

 
 本校の校舎本館の階段踊り場の壁に,「朝光(あさかげ)」という絵画が飾られています。絵画には,朝靄の中の樹齢数百年ほどの大きな木の根に,日が`差し始めた情景が描かれています。

  絵画の作者である関政明(1948-2018)さんは,重度の障害と闘いながら一生涯,芸術活動を続け,感性豊かな優れた絵画や短歌を多く遺しました。

  みなと高等学園創立の平成24年4月に,ひのみね総合療育センターで療養中であった関さんから,学校創立を記念して絵画を寄贈していただきました。

  絵画「朝光」の,大きな木の根に向こうの方から差し込む,おだやかな朝日の光には,癒やしと明日への希望が感じられます。誰のところにも必ず朝日は差します。だから,希望を持って前向きに進んで欲しい。そして,未来が明るいものであって欲しい。そんな関さんの思いが込められていると感じます。

  生徒の皆さんも私たち大人も,毎日が喜びと充実に満ちているのではありません。時には,友人関係などでイライラすることもあるし,将来への不安で悩むこともありあます。「朝光」に描かれている,夜の闇や雨や風に耐えながら,大地へと伸びる大きな木の根は,それぞれの課題や悩みを克服して成長するために,一生懸命に生きている,私たち自身と重ねることができると思います。そして,遠くから差す朝日の光は,私たちに癒やしと明日への生きる希望を与えてくれます。

  関さんの絵画「朝光」は,みなと高等学園が開校してからの10年間,そしてこれからもずっと,皆さんや後輩たちに希望の光をとどけてくれます。みなと高等学園の皆さんの未来が明るいものであって欲しいという,関さんの願いに応えられるように,明日の自分を信じて,希望を持って,充実した学校生活を送って欲しいと思います。

 

 

  本校を訪問された際には,よろしければ階段踊り場の絵画「朝光」をご鑑賞ください。