校長室より

創立10周年記念式典において

 令和4年10月12日,みなと高等学園創立10周年記念式典を挙行しました。式典には飯泉知事をはじめ,多数の来賓の方々に出席をいただきました。厳粛かつ思い出に残る記念式典を実施することができました。 
  

    

 

 本校は,平成24年4月に創立以来,発達障がいのある生徒に対する「新たな教育を構築する」という,強い使命感を全ての教職員が共有し,継続的な研修による高い専門性に裏付けられた教育を求め,常に検証と改善を重ね実践して参りました。その結果,卒業生は234名を数え,そのほとんどが就労し,現在も生き生きとした生活を送っております。

 生徒の皆さんは,先輩たちが築き上げてきた10年間の歴史を受け止め,みなと高等学園の生徒としての自信と誇りを持ってください。そして,創立10周年という記念すべき瞬間に立ち会う幸せと責任を自覚するとともに,校歌にも謳われていますように「若人われら 未来の道を 拓きゆく」の精神を発揮し,新たな時代に向けて確かな一歩を踏み出してください。

 創立当初から本校には「チームみなと」という言葉があります。この「チーム」とは,教職員のみを指すのではなく,生徒や保護者,そして,みなと高等学園に関係する全ての方々との輪と絆を指しています。多様性を認め合う「ダイバーシティとくしま」の実現が求められる今,センター的機能として本校が果たすべき役割はますます大きくなっていくと考えられます。これからも「チームみなと」の理念を継承し,県内の支援を必要とする子どもたちのために何ができるのかを考え取り組んで参ります。全国で初めて設立された「発達障がいのある生徒のための学校」として歩んだこの10年間の実践の成果を誇りに,ここからまた,みなと高等学園の新たな歴史を作り上げて行くことを誓いします。

 創立以来10年間にわたりまして,本校教育に携わってこられました歴代校長をはじめ旧職員の全ての方々のたゆみないご努力,親身になってご支援・ご協力いただきましたPTAや地域関係者の皆さま方の温かいご理解に厚く感謝を申し上げます。また,ご臨席いただきました皆様方や関係各位には,これまでと変わらぬご指導とご支援をお願い申し上げます。 

後期始業式において -「 朝光」あさかげ -

10月11日(火)
 創立10周年記念式典を翌日に控え,令和4年度の後期始業式において,本校の創立に関係する話をしました。
その概要を記載します。

  

 
 本校の校舎本館の階段踊り場の壁に,「朝光(あさかげ)」という絵画が飾られています。絵画には,朝靄の中の樹齢数百年ほどの大きな木の根に,日が`差し始めた情景が描かれています。

  絵画の作者である関政明(1948-2018)さんは,重度の障害と闘いながら一生涯,芸術活動を続け,感性豊かな優れた絵画や短歌を多く遺しました。

  みなと高等学園創立の平成24年4月に,ひのみね総合療育センターで療養中であった関さんから,学校創立を記念して絵画を寄贈していただきました。

  絵画「朝光」の,大きな木の根に向こうの方から差し込む,おだやかな朝日の光には,癒やしと明日への希望が感じられます。誰のところにも必ず朝日は差します。だから,希望を持って前向きに進んで欲しい。そして,未来が明るいものであって欲しい。そんな関さんの思いが込められていると感じます。

  生徒の皆さんも私たち大人も,毎日が喜びと充実に満ちているのではありません。時には,友人関係などでイライラすることもあるし,将来への不安で悩むこともありあます。「朝光」に描かれている,夜の闇や雨や風に耐えながら,大地へと伸びる大きな木の根は,それぞれの課題や悩みを克服して成長するために,一生懸命に生きている,私たち自身と重ねることができると思います。そして,遠くから差す朝日の光は,私たちに癒やしと明日への生きる希望を与えてくれます。

  関さんの絵画「朝光」は,みなと高等学園が開校してからの10年間,そしてこれからもずっと,皆さんや後輩たちに希望の光をとどけてくれます。みなと高等学園の皆さんの未来が明るいものであって欲しいという,関さんの願いに応えられるように,明日の自分を信じて,希望を持って,充実した学校生活を送って欲しいと思います。

 

 

  本校を訪問された際には,よろしければ階段踊り場の絵画「朝光」をご鑑賞ください。

入学式にあたり

4月11日(月)

 令和4年度の入学式を行い、新しく25名の生徒が本校に入学しました。
入学おめでとうございますの言葉に添えて、新入生に心掛けてほしいことをふたつ話しました。

①自分の良いところや可能性を発見して伸ばしてください。「やればできる」の精神で、自分の可能性を信じて、それぞれの能力を本校で発揮してください。
②自分を大切にするのと同じように、周りの人を大切にしてください。お互いの良さを認め合い、信頼できる仲間を増やしてください。

 みなと高等学園は今年で11年目を迎えます、本校の新たな歴史を築き上げていくのは自分たちなのだという気持ちを持って、自らの可能性に挑戦してください。

卒業おめでとうございます

3月2日(水)

第8回卒業証書授与式を行いました。


 

 

 

 

 

 

 

 

 本年度は28名の卒業生に卒業証書を授与しました。
卒業生の皆さん,卒業おめでとうございます。

式辞のなかで,これからも心にとめて欲しいこととして
  ① これからも学び続けること
  ② 自分一人で悩まないこと
  ③ チャレンジを続けること
以上の,3つのことについて話をしました。
 
 これからも,自分を信じて努力することの大切さと,周りで支えてくれる人への感謝の心を忘れず,本校の卒業生であることに誇りをもって,社会的・職業的に自立した心豊かな人になってください。

啓発カードに生徒デザインのイラストが使用されています

12月6日(月)

本校の情報デザイン科では、情報に関する専門の授業において、関係機関などから依頼を受けた情報コンテンツやデザインの制作をとおして発展的で応用的な実践に取り組んでいます。

この度は、徳島県が製作したSOSダイヤルの啓発カードに本校の生徒がデザインしたイラストが使用されました。また、徳島県障がい者技能競技大会「アビリンピック徳島大会」のポスターなども授業の中で制作しています。

SOSダイヤル啓発カード

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アビリンピック徳島大会」のチラシ

商品開発にも取り組んでいます

11月16日(火)

本校では社会人講師として、ビジネスマナー講師、農園経営、ビルクリーニング技能士、6次産業化、製菓、介護福祉士 など、11名の専門家の方が、担当教員と連携して指導してくれています。専門知識や技術はもちろん、仕事に対する態度や心構えなどがとても参考になっています。

今日は製菓の外部講師の方に指導していただき、生産サービス科の家政の授業で生徒が製作したオリジナル和菓子「みな☆まっちゃ」(写真上)を試食しました。菓子の抹茶味の生地に白餡や山芋を練り込んだり、本校のキャラクターの焼印を入れたり、色々工夫をしているようです。他にも洋菓子の「みなロール」(写真下)なども試作しています。

徳島県高校総合文化祭で優良賞

11月5日から7日までの間、第40回徳島県高等学校総合文化祭において美術•工芸部門の展示があり、本校からはアート部の生徒の3作品を出展しました。その中から立体分野の作品「パンタグラフ」が優良賞を受賞しました。

11月7日(日)に行われた表彰式に行ってきました。受賞により、来年度和歌山県で開催される近畿高等学校総合文化祭に作品が出展されることになりました。

パンタグラフ
   作品名「パンタグラフ」


   授賞式の様子

後期校内実習の実施にあたり

11月1日から10日間の後期校内実習が始まりました。

校内実習は教室等を作業現場と想定して、全校生徒が木工班、家政班、環境園芸班、ビルメンテナンス班、委託作業班、オフィスアシスタント班の6班に分かれて実習をします。

各班では働く力がつくように、課題に合わせて作業ができるように計画しています。

 実習を始めるにあたり、校内実習班別打ち合わせにおいて、今回もオンラインで各班の生徒の皆さんに「自分の得意分野を伸ばし、課題があれば克服する努力をしてほしいこと」を伝えました。

人権コンサートについて

人権コンサート
音楽でつながる 〜今、私たちにできること〜
 
10月27日(水)5、6校時
応援ソングライターのyu-kaさんをお迎えして人権コンサートを行いました。
yu-kaさんは、20歳のときにADHDの診断を受け、その後、発達障がいがあり社会で活躍する人たちから励まされたことをきっかけに、現在は発達障がいある方を応援するオリジナル曲を届けることや講演活動を行っています。
 
yu-kaさんには授業の見学をしていただいた後、人権コンサートを行いました。
コンサートには全校生徒と教職員が参加しました。
 
キーボードの弾き語りで、オリジナルを中心に11曲を歌っていただきました。優しいメロディーにあたたかいメッセージを込めた楽曲で、生徒と教職員に共感と感動を与えてくれました。

今後も素晴らしい応援ソングをたくさんの人に届けてください。
 

体験的な現場実習が始まります

10月22日(金)6校時
1、2年生の現場実習に向けての激励会を行いました。
 本年度後期の1、2年生を対象とした体験的な産業現場等での実習が始まります。1年生は1週間、2年生は2週間程度の実習になります。現場実習は学校や家庭で身につけてきた力が実際の場面でどのように発揮できるのか。また、どのような力がさらに必要かを明らかにするための実習です。そして実際の職場で、仕事の厳しさやルール、やりがい等も学ぶことができます。

 実習の前に生徒のみなさんに次のことを伝えました。
1年生のみなさんへ
 ①体調管理をして万全の状態で実習に臨んでください。
 ②失敗しても前向きに努力してください。
2年生のみなさんへ
 ①自分の将来を真剣に考える実習にしてください。
 ②自分の課題を見つけて克服できるように頑張ってください。

自信をもって現場実習に臨み、働きたいという気持ちをさらに強く持ってもらえたら嬉しいです。

   ◇オンライン配信により生徒のみなさんは各教室から参加しました。